(1999/11/13)
夜中にIRC(要はチャット)をするためにマシン(PowerBook G3, オレ命名:MadShell)を立ち上げて#西海岸:*.jp(チャンネル(要はチャットする場所))に接続せつぞく!と盛り上がっていたら,突然のTEL...(ポケベルが鳴らなくて)
こんな時間に誰が?様々な想いが錯綜する中,受話器を上げる.
ガチャ
「もしもし?」
「もしもし,ミズグチさん?」(おばちゃんの声で)
「あ,はい.そうですけど」
「あなたの自転車が市役所の前にあるのよ」
オレの自転車が!市役所の!えぇ?
「え,いや,だって,家の自転車置き場に置いてたんですけど」(しどろもどろで意味不明に)
「なんか不自然なところにあるし,名前と電話番号が書いてあったからかけてみたんだけど」
「あ,はい,じゃぁ盗まれたんだと」(急に冷静に)
「取りに来ます?」
「あ,行きます」
「じゃぁ見ててあげるから」
「あ,ありがとうございます」
ガチャ
かくして夜の町を自転車目指して大マラソン大会!市役所ってここから1kmくらい先!夜風が冷たく,その冷気が咽の奥を凍り付かせるようだった.駆け付けた先には犬を連れたおばちゃんが市役所の前に座って待ってた.
「わざわざありがとうございました」(息を切らしながら)
「この子(犬)の散歩で前通った時にも置いてあって,帰りにもまだ置いてあるからおかしいなと思って.何するにも不自然な場所でしょ?」
「そうですよね,まわりは自動販売機すらないですもんね」
「自転車盗まれる痛みが分かるからね,電話してあげなくちゃって」
「ありがとうございます,助かりました.ほんとに」(犬にも感謝を)
「でも,マンションの自転車置き場に置いててとられたの?」
「困ったもんですよね」(他人事のように)
とにかく人の親切に涙が出た.もちろん岩槻たくなる号(マイ自転車名)の運命にも涙が出た.
晩飯買って帰って来てからわずか2時間で紛失する岩槻たくなる号に幸あれ!(むしろオレに)
そして,帰ってきた岩槻たくなる号のサドルは御丁寧なことに高さが調整されていた.鍵穴には,モロにそれ用の金具がささっていた.
夜風が冷たかった.
indexを変えてみました.言うまでもなくアレです.