朝出社すると,マネージャのPaulが神妙な顔でオフィスにやってきました.
何かなと思って身構えていると,Paulは「昨日,妻がこれ買ったんだけど,日本語だから読めなくてね」と袋を差し出して来ました.
という訳で僕は,朝から「ひとくちだんごの作り方」を翻訳しているのです.カリフォルニアで.
朝出社すると,マネージャのPaulが神妙な顔でオフィスにやってきました.
何かなと思って身構えていると,Paulは「昨日,妻がこれ買ったんだけど,日本語だから読めなくてね」と袋を差し出して来ました.
という訳で僕は,朝から「ひとくちだんごの作り方」を翻訳しているのです.カリフォルニアで.
出社してエレベータを降りると,見覚えの無い張り紙が目に留まりました.
満面の笑みを浮かべた男の顔のアップに「It's my birthday. Happy Birthday to me.」というキャプション.すごいアピールの仕方だなぁと思ってエレベータホールからオフィスへ入ると.
壁と言う壁,扉と言う扉にそのポスターが貼られまくってました.同僚の一人はフロアを歩き回ってポスターを発見する度に,指差してゲラゲラ笑ってます.
9時半にはほとんど剥がされていたので,早起きはするものだと思いました.
ミーティングがあったので会議室まで行ったのですが,開始時間だというのにまだ誰も来ていません.
会議室の扉はナンバーロックで施錠されているし,どうしたものかなぁとしばらくぼんやりしていると,向こうからマネージャのPaulがやって来ました.「あれ,そこに鍵の番号書いてない?」と会議室向かいの消火栓を指差します.「えーこんなところに?」と思いながら消火栓扉を開くと,確かにそこに数字らしき羅列が彫ってありました.
こんなところに堂々と書いておいていいのだろうかと思いながら,その数字を使って会議室の扉を開け,ミーティングを始めたのですが….何か心に違和感が.なんだろう,何がひっかかっているのだろうとしばらく考えた結果,その違和感の理由に思い当たりました.
鍵の番号,漢数字だ.
ものすごいセキュリティです.