先週の話。Toddが、母親の家の裏にいっぱい生っているから、と言ってザクロ(pomegranate)をくれました。お礼に「日本ホラー話の中では、ザクロはよく人肉の例えで使われる」と教えておきました。「そんな話、初めて聞いた」と驚いていました。ほんと僕は余計なことばかりしてるな。
とは言え、実際にザクロを手にしたのは実はこれが初めてなのでした。へぇ、これがザクロかぁ。
さっそく日曜の昼下がりに食べてみることにしました。まずは皮を剥がしやすくするために、ヘタの部分を包丁で切り落とします。ストンと包丁がまな板に当たった後、ツーっと赤黒い液体が流れ出て来ました。
切り口からは、びっしりと詰まった小さい実がその赤黒い肌をのぞかせています。まるで筋肉繊維のようだ、と思いました。ゆっくりと切り込みを入れて、慎重に皮を剥がしていきます。ちょっとでも握った手に力を入れすぎると、ザクロは切り口からブシュッと赤黒い液体をほとばしらせるからです。
ほとんど皮を剥がし終わり、今度はびっしり詰まった赤黒い実を一つずつ取り出していきます。うっかり潰してしまった実の体液が手にまとわりつき、ヌメヌメと滑るため、とうとう僕はザクロを取り落としてしまいました。手から滑り落ちたザクロは流しへとゆっくり落下していきます。ぐしゃり。ザクロはいとも簡単に潰れ、流しに鮮血をまき散らせてゴロリと転がり、って、ああもう!ほんと怖いな、このフルーツ!
やってるうちに手慣れてきたので、それ以降は順調に実を取り終えることができました。やれやれと一息ついて目線を上げると、キッチンの白い壁に、飛び散った赤黒い液体が不気味な絵を描いていたのでした。ギャー!
あ、実は甘酸っぱくて、噛むと種がプチプチ言って結構いけますね(あっさり終)。